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相続手続きに必要な戸籍謄本の集め方・取り寄せ方

公開日: 2026/5/9最終更新: 2026/6/13

本記事の情報源について

法務省・国税庁・裁判所・日本年金機構・金融庁等の公的機関の情報をもとに作成しています。 内容の正確性に努めていますが、法令は改正される場合があります。 具体的な手続きについては最新の公的情報をご確認のうえ、司法書士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。

目次

  1. 1. 相続手続きに戸籍謄本が必要な理由
  2. 2. 必要な戸籍の種類
  3. 3. 戸籍の集め方:出生から死亡まで遡る
  4. 4. 取得場所:市区町村役場の窓口または郵送
  5. 5. 2024年から使える「広域交付制度」
  6. 6. 費用と取得にかかる日数
  7. 7. 相続人を確定するために必要な戸籍のまとめ
  8. 8. よくある質問

相続手続きに戸籍謄本が必要な理由

相続手続きのほぼすべてで「法定相続人が誰か」を証明する必要があります。その証明手段が戸籍です。銀行口座の名義変更、不動産の相続登記、相続税の申告、年金の手続きなど、どの手続きでも戸籍の束(戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本)の提出を求められます。被相続人の「出生から死亡まで」をつなぐ戸籍一式を用意することで、「他に相続人がいないこと」を法的に証明します。このため、戸籍収集は相続手続き全体の最初にして最重要の工程です。

ℹ 補足:戸籍が揃っていないと銀行や法務局での手続きが始められません。他の手続きと並行して早めに収集を始めることをおすすめします。

必要な戸籍の種類

相続で必要な戸籍は大きく3種類あります。現在の戸籍である「戸籍謄本」、亡くなった方が除籍された「除籍謄本」、戸籍制度の改製(コンピュータ化など)前の「改製原戸籍謄本(はらこせき)」です。被相続人の出生から死亡まで、本籍地を移動した回数だけ複数の自治体から取得が必要になります。また、相続人の戸籍謄本(現在のもの)も別途必要です。

  • •戸籍謄本(現在の戸籍):被相続人の死亡記載のある最新の戸籍
  • •除籍謄本:本籍地を変更する前の転籍元の戸籍(全員除籍で消えた戸籍)
  • •改製原戸籍謄本:戸籍制度の改製前に作成された旧形式の戸籍
  • •相続人の戸籍謄本:各相続人の現在の戸籍(生存確認のため)
  • •住民票の除票:被相続人の最後の住所を証明(銀行・法務局で求められる)

戸籍の集め方:出生から死亡まで遡る

戸籍収集の流れは「死亡時の戸籍から過去に遡る」方向で進めます。まず死亡時に在籍していた市区町村で最新の戸籍を取得し、そこに記載されている「従前本籍(以前の本籍地)」を確認して次の自治体に請求します。これを被相続人の出生まで繰り返します。本籍地を複数回変更していた場合は、複数の市区町村に請求が必要です。出生まで遡ったことの確認は「出生」の記載がある謄本を取得できた時点です。

  • •STEP1:死亡時の本籍地の市区町村役場で「戸籍謄本」「除籍謄本」を請求
  • •STEP2:取得した戸籍に記載の「従前本籍」の市区町村役場に請求(転籍していた場合)
  • •STEP3:改製(コンピュータ化など)前の戸籍が必要な場合は「改製原戸籍謄本」も請求
  • •STEP4:出生記載のある戸籍が取得できたら被相続人の戸籍は完成
  • •STEP5:各相続人の現在の戸籍謄本を取得(各自の本籍地市区町村)

取得場所:市区町村役場の窓口または郵送

戸籍謄本は「本籍地」の市区町村役場でのみ取得できます(住所地ではなく本籍地です)。窓口に行ける場合は当日発行が原則です。本籍地が遠方の場合は郵送で取り寄せることができます。郵送請求の場合は、①請求書(各市区町村のウェブサイトからダウンロード)、②本人確認書類のコピー、③返信用封筒(切手貼付)、④手数料分の定額小為替(ゆうちょ銀行で購入)を封筒に同封して送ります。返送まで1〜2週間程度かかることが多いです。

💡 ポイント:「定額小為替」はゆうちょ銀行の窓口で購入できます。1枚200円の手数料がかかります。請求前に自治体に電話で必要な手数料を確認してから購入すると無駄がありません。

2024年から使える「広域交付制度」

2024年3月から、マイナンバーカードを使えば全国どの市区町村の窓口でも、本籍地以外の戸籍謄本・除籍謄本を取得できる「戸籍謄本等の広域交付制度」が始まりました。これにより、本籍地が遠方でも近くの市区町村役場で一括して取得できます。ただし、改製原戸籍謄本(コンピュータ化前のもの)は対象外の場合があります。また、代理人による取得は制限があります。窓口に行く前に市区町村に確認することをお勧めします。

  • •対象:マイナンバーカードを持っている本人
  • •取得できるもの:戸籍謄本・除籍謄本(一部の改製原戸籍謄本も対象)
  • •注意:代理人は対象外(委任状があっても不可の場合がある)
  • •手数料:通常と同じ(謄本1通450円など)

費用と取得にかかる日数

戸籍謄本1通あたりの手数料は市区町村によって異なりますが、概ね次の通りです。窓口請求の場合は当日発行、郵送請求の場合は到着後1〜2週間が目安です。本籍地の変更が多い場合は5〜10通以上になることもあり、費用が1〜2万円を超えることもあります。

書類の種類手数料(目安)
戸籍謄本(全部事項証明書)1通 450円
除籍謄本(全部事項証明書)1通 750円
改製原戸籍謄本1通 750円
住民票の除票1通 300〜400円
戸籍の附票の除票1通 300〜400円

相続人を確定するために必要な戸籍のまとめ

相続人の確定に必要な戸籍の全体像をまとめます。被相続人の戸籍と、各相続人の戸籍を揃えることで「誰が相続人か」を証明できます。

  • •被相続人(亡くなった方):出生から死亡まですべての戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本
  • •被相続人の配偶者:現在の戸籍謄本
  • •被相続人の子(相続人):現在の戸籍謄本
  • •子が亡くなっている場合(代襲相続):その子(孫)の戸籍謄本
  • •子・孫がいない場合:被相続人の父母・祖父母の死亡がわかる戸籍
  • •父母・祖父母もいない場合:兄弟姉妹の戸籍謄本(兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪の戸籍も)

⚠ 注意:相続人の範囲は状況によって複雑になります。前婚の子や認知した子がいる場合は、より多くの戸籍が必要です。不安な場合は司法書士に相談することをお勧めします。

よくある質問

Q. 本籍地が遠方にあって窓口に行けません。どうすればいいですか?

郵送で請求できます。各市区町村のウェブサイトから「戸籍謄本等請求書」をダウンロードして記入し、本人確認書類のコピー・返信用封筒・定額小為替を同封して送ります。または2024年から始まった広域交付制度を使えば、マイナンバーカードがあれば近くの市区町村役場で取得できる場合があります。

Q. 戸籍がどこにあるかわかりません。

住民票(または住民票の除票)には「本籍地」が記載されています(申請時に「本籍記載あり」を指定する必要があります)。住民票は住所地の市区町村で取得できます。住民票から本籍地を調べ、そこから戸籍収集を始めましょう。

Q. 戸籍収集を司法書士に頼むとどのくらいかかりますか?

戸籍収集の代行費用は、通数によって異なりますが、3〜5万円程度が一般的です。相続登記の依頼とセットで頼むと費用が抑えられる場合があります。時間がない場合や本籍地が全国に散在している場合は、専門家への依頼を検討するのも選択肢です。

Q. 戸籍謄本と戸籍抄本の違いは何ですか?

戸籍謄本(全部事項証明書)は戸籍に記載されている全員の情報が含まれます。戸籍抄本(個人事項証明書)は特定の個人の情報のみです。相続手続きでは「全員の情報が必要」なため、謄本(全部事項証明書)を請求してください。

Q. 戸籍収集をやり直さずに済む「法定相続情報一覧図」とは何ですか?

法定相続情報一覧図は、収集した戸籍一式をもとに相続関係を1枚の図にまとめ、法務局が内容を確認して認証してくれる証明書です。一度作成すれば、銀行・法務局・税務署など各機関でこの写し1枚を戸籍束の代わりに提出でき、複数の手続きを並行して進められます。発行手数料は無料で、必要な部数を交付してもらえます。戸籍を何度も使い回す手間が省けるため、口座や手続きが多い方には特に有効です。

Q. 広域交付制度を使えば戸籍収集はすべて窓口1か所で完結しますか?

多くの場合に1か所で集められますが、完全ではありません。広域交付制度はマイナンバーカードを持つ本人等が請求する場合に利用でき、戸籍謄本・除籍謄本を本籍地以外の窓口で取得できます。ただし、一部の改製原戸籍やコンピュータ化されていない古い戸籍は対象外になることがあり、その分は従来どおり本籍地への請求が必要です。また代理人による請求は制限されます。事前に窓口へ取得可能範囲を確認することをお勧めします。

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本記事は情報提供を目的としており、法律相談・税務相談ではありません。具体的な判断は司法書士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。

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